公正証書遺言とは、公証役場で公証人によって作成する遺言書で、作成後は公証役場に保管される、もっとも安全で確実な遺言の方式の事を言います。
遺言を書く人は遺言したい内容を公証人に伝える事で、あとは公証人が法的に整理された遺言書を作成してくれます。
このページで分かる事
公正証書遺言を作成するにはどうするの?
公証役場に出向く必要があります。特別な場合によっては(病気で動けない場合など)出張を依頼する事も出来ます。当然費用は別途出張料金が掛かります。公証役場に行く前に事前に内容を決めておくなどして最低限の準備は必要となります。
では実際に公正証書遺言を作成するにあたり必要となってくる物などを書いていきます。
証人として2人以上の証人の立ち合いが必要
遺言の作成には2人以上の証人の立ち合いが必要となります。
次の者は証人となれないので注意が必要です。
証人となれない者
- 未成年者
- 推定相続人(相続人と推定される(※相続人であろうと思われる)者
- 受遺者
- ②③の配偶者及び直系血族(※遺産を相続するであろう者
- 公証人の配偶者
- 親等以内の親族
公証役場の書記や使用人
証人は遺言の内容を知ることになりますので、信頼をおける者に依頼をすることをお勧め致します。従って業務上の守秘義務がある第三者の行政書士等の専門家に依頼する事がベターかもしれません。また有料にはなりますが、公証役場で紹介を受ける事も出来ます。
公正証書遺言作成の流れ
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1遺言の原案を考える
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2証人を決定する
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3公証役場で公証人と打ち合わせをする
※必要な書類
- 遺言者の印鑑証明
- 遺言者と相続人がわかる戸籍謄本
- 相続人以外に相続させる場合その者の住民票
- 相続財産に不動産がある場合、登記事項証明書と固定資産評価証明書
- 証人の住民票(氏名、年齢、住所、生年月日が分かるもの)
公証役場指定された書類
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4遺言書のチェック
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5証人と公証役場に一緒に行く
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6証書の作成
遺言作成者が遺言書の内容を口述して、証人が筆記する
公証人が遺言の内容を遺言者と証人に読み聞かせる
遺言者と証人が署名押印をする
公証人が署名押印する
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7証書の完成
原本が公証役場に保管され、遺言者本人に正本が交付されます。
公正証書遺言に掛かる費用はどれくらい?
証書の作成手数料は財産の価額によって費用が変わってきます。ざっくり言うと、財産価額が多ければ多いほど費用は上がります。(高くなります)また相続させる人の人数が多ければ多いほど費用は上がります。
ポイント
『相続人の人数』×『費用』+(『加算手数料費用』+『手数料』)
下記の表を参照してください
証書の作成手数料 | (財産の価額) 100万円以下 100万円~200万円 200万円~500万円 500万円~1000万円 1,000万円~3,000万円 3,000万円~5,000万円 5,000万円~1億円 1億円~3億円 3億円~10億円 10億円以上 | 5,000円 7,000円 11,000円 17,000円 23,000円 29,000円 43,000円 5,000万円毎に13,000円加算 5,000万円毎に11,000円加算 5,000万円毎に8,000円加算 |
遺言加算手数料 | 全体の財産1億円以下 | 11,000円を加算 |
遺言取り消し手数料 | 11,000円 | |
役場外執務 | ・傷病執務手数料 ・日当 ・旅費 | 掛かる手数料の1/2を加算 1日2万円(4Hで1万円) 実費 |
正本・謄本交付料 | 1枚250円 |
公正証書遺言のメリット・デメリットとは?
それでは「公正証書遺言」にした時のメリットやデメリットとはどんな物があるか見ていきましょう。
公正証書遺言のメリット
- 相続開始時、家庭裁判所の検認が不要なので手続きがスムーズ
- 紛失や盗難などの心配がありません。
- 病気等などで寝たきりだったり、病院に入院中の場合に出張してもらい作成が可能
- 文字が書けない場合でも言葉による遺言が可能
公正証書遺言のデメリット
- 費用が掛かる(相続人3人で10万円前後)
- 時間が掛かる
- 戸籍謄本を揃えなければならずかなり煩雑な手間がかかる
- 証人を2人以上揃えなければならない。紹介の場合また費用が掛かる
まとめ
私的な見解ではありますが、実務上、私の場合は公正証書遺言も自筆証書遺言も半々といったところで、絶対的にこちらの方式の方が良いとは思いません。ご自身に合った方法で遺言書を残せば良いと感じます。
遺言書が無くまた有った場合のどちらの場合でも、遺産相続のトラブルや相談は多々あります。死後家族の遺産相続争いにならないよう、遺言書は、どちらの方式で作成するにせよ専門家と相談の上、作成されるのが良いと感じ受けております。