相続

遺言でトラブルを防ぐ【遺言の基礎知識】を知る。

2019年5月31日

遺言 トラブル 防ぐ 基礎知識

3dman_eu / Pixabay

「うちの家族には子供2人しかいないし、我が家に限って遺産争いなど起きるはずない」と現在相続争いを繰り広げている家族の被相続人もそのように考えていたと思います。財産相続はどんなに仲が良い家族でもちょっとした関係のもつれにより大きな問題に発展してしまいます。

 

被相続人の死後、家族内で相続トラブルを起こさない為にも遺言を残すことは重要だと言えます。今回は遺言でトラブルを防ぐ”基礎知識”をお伝えしていきます。

 

遺言で出来る事とは?

遺言で出来る事は「相続財産の指定」「相続財産の分割の指定」そのほかに指定しておけば効力が生じる「遺言事項」を定める事が出来ます。

 

遺言を有効に活用し、後の家族間トラブルを防ぐようにするためにも生前から財産相続に対し配慮する必要があります。

 

 

財産処分に関する遺言事項(遺言で出来る事)

遺言事項

内容

相続分の指定及び委託

法定相続分と異なる相続分の指定できる

遺産分割の方法の指定及び委託

誰にどの財産を相続させるかなどを指定できる

遺産分割を禁止する

死後5年以内の期間で遺産の分割を禁止できる

共同相続人の間の担保責任の指定

相続した財産に欠陥があった場合、共同相続人はその損失を分担しなけらばならないとすることができる

相続人の廃除及び排除の取り消し

相続人の廃除または排除の取り消しの意思表示ができる

特別受益の持戻しの免除

生前贈与を相続分に反映させない意思表示ができる

遺贈

相続人または相続人以外の人に財産を遺贈できる

遺贈減殺方法の指定

遺留分を侵害する遺贈が複数ある場合、減殺の順序や割合などを指定できる

寄付行為

財団法人の設立を目的とした寄付の意思表示ができる

信託の設定

信託銀行などに財産を信託する意思表示ができる

 

 

身分に関する遺言事項(遺言で出来る事)

遺言事項

内容

子の認知

結婚していない女性との間の子を認知することが出来る

未成年後見人の指定、未成年後見監督人の指定

自分の死亡により親権者がいなくなる未成年の子について後見人を指定できる

 

 

その他の遺言事項(遺言で出来る事)

遺言事項

内容

遺言執行者の指定

遺言の内容を実行してもらう為の執行者を指定できる

祭祀承継者の指定

先祖の墓や仏壇などの承継者を指定できる

生命保険金の受取人の変更

被保険者の同意のもと、保険金受取人を指定できる

遺言の撤回および取り消し

遺言の全部または一部を撤回出来る

 

 

遺言の一般的方式は2種類(遺言の書き方)

遺言の方式は【民法で規定】されており、これ以外の方法で行った場合は「無効」となり効力を生じません。

遺言の方式には、大きく分けて「普通方式」と「特別方式」があります。

普通方式 ―①自筆証書遺言

      ―②公正証書遺言

      ―③秘密証書遺言

 

特別方式

―①危急時遺言

 ―■一般の臨終遺言

 ―■船舶遭難者の遺言

     

―②隔絶地遺言

 ―■伝染病隔離者の遺言

 ―■船舶中にある者の遺言

通常は■普通方式の中の①自筆証書遺言②公正証書遺言を用いる事が一般的です。

 

 

自筆証書遺言と公正証書遺言の違い

 

自筆証書遺言

公正証書遺言

作成方法

本人が自分で書く

公証人が作成する

証人

不要

2人必要

遺言書の保管

本人が保管

公証役場が保管

裁判所の検認

必要

不要

メリット

一人で作成できる

費用がかからない

遺言書を身内に隠せる

無効になる恐れがない

偽造や紛失隠匿の恐れがない

すぐに遺言を執行できる

字の書けない人などでも作成できる

デメリット

形式や内容の不備、印鑑押印忘れなどで、効力が無効になる恐れがある

偽造されやすい

紛失や隠匿されたりし、遺言書が見つからない場合がある

検認が必要なので遺言執行まで時間がかかる

証人と共に公証役場に行く等の手間がかかる

費用がかかる

証人から遺言内容が漏れる可能性がある

このように自筆証書遺言と公正証書遺言ではメリット、デメリットがあります。自分の死後遺言書の不備で無効となったケースも多々あり、トラブルの原因となりますので、どちらの遺言書を作成するにせよ、第三者のアドバイスの元作成することをお勧めいたします。

 

 

自筆証書遺言の作成のルールとポイント

自筆証書遺言はいつでも作成が可能です。しかし、間違った書き方をしてしまうと「効力を生じない」ということになってしまう場合があるので、書き方のポイントとルールを抑えましょう。

 

 

作成のルール

「全文」全てが遺言者の(作成者)の「自筆」である事

自筆の「日付」がある事

自筆の「名前フルネーム」がある事

遺言書に「押印」すること

訂正は決められた訂正方法で訂正している事

 

作成のポイント

「日付」は○○年〇月〇日と誰が見ても特定できる日付にします。

名前は「住民票に記されたフルネーム」を記載します。

押印する印鑑は「実印」がベストです。

訂正には「署名」と「押印」と「訂正箇所の記載」が必要

 

こんな遺言は「無効」となります

日付けをスタンプで押したもの

代筆してもらったもの

音声や映像にしたもの

日付けが特定できなもの

署名・押印がないもの

夫婦で一緒に書いたもの

共同遺言は認められていない

理由:どちらが先に死ぬかわからないため、不確定要素を含む遺言書になってしまうため

訂正に印と署名がぬけているもの

訂正の方法の規定に沿って訂正されていないものは無効になる

理由:改ざんの恐れがあるため

 

 

公正証書遺言の作成のポイント

2人以上の「証人」が必要で一緒に公証役場に赴く必要があります

証人となれない者

・未成年者

・推定相続人、受遺者の配偶者及び直径血族

・公証人の配偶者、4親等以内の親族、公証役場の書記や使用人

 

証人となれる者

・弁護士

・司法書士

・行政書士

・信頼できる第三者

 

保管は原文が公証役場に保管されます

 

公正証書遺言作成費用は比較的料金が高いです

 

 

公正証書遺言作成の費用

種類

区分

金額

(財産の価額)

100万円以下

100万円超 200万円以下

200万円超 500万円以下

500万円超  1000万円以下

1000万円超  3000万円以下

3000万円超  5000万円以下

5000万円超 1億円以下

1億円超3億円以下の部分

3億円超10億円以下の部分

10億円超の部分

 

5000

7000

11000

17000

23000

29000

43000

5000万毎に13000円加算

5000万毎に11000円加算

5000万毎8000円加算

遺言加算手数料

全体の財産が1億円以下の場合

11000円を加算

遺言を取り消す証書の作成手数料

 

11000

役場外執務(出張の場合)

・病床執務手数料

・日当

・旅費

・通常の手数料の1.5

・1日2万円4H1万円)

・実費

正本・謄本の交付

 

1250

 

3人の相続人の相続額それぞれ400025002500万とする場合の手数料

作成手数料29000+23000+23000円 + 遺言手数料11000円 =86000

このように費用は比較的高いものだと思いますが、確実で安全な方法であることは間違いありません。

 

 

公正証書の作成の流れ

遺言の原案を作成する

証人を決める

公証役場に行って依頼し、打ち合わせを行う

遺言書のチェック

証人と共に公証役場に行く

証書の作成

 

 

打ち合わせに必要な書類

打ち合わせには以下の書類が必要となります。

 

遺言者の印鑑証明書

戸籍謄本

相続人以外に遺贈する場合その方の住民票

不動産の登記事項証明書・固定資産評価証明書

証人予定者の名前や住所、職業などがわかるもの

その他、公証人から指定されたもの

 

証書の作成の手順

証書の作成手順は以下になります。

 

遺言者が遺言内容を口述して公証人が筆記します

公証人が証書の内容を遺言者に読み聞かせ間違いがないか確かめる

遺言者と証人が署名欄に押印する

公証人が署名押印する

⑤証書の完成

 

 

遺言を取り消したい場合

「遺言を取り消したい」「遺言の内容を変更したい」と思ったときは、「いつでも取消すことができます。またいつでも変更することが可能です」

 

遺言の取り消しの方法

・遺言書を破り捨て破棄する

・新たに遺言書を作成する

・自筆証書で遺言の変更を記す

 

このような方法がありますが、一度作成した遺言書を変更する場合や内容を変える場合は相続人の目に触れないよう、または古い遺言書の内容が分からないようにする配慮が必要です。

例えば、相続人Aに土地を遺贈す旨の内容を記したあと、その遺贈する土地を売却してしまった場合など、本来相続人A相続するはずだったと土地だと相続人Aが知ってしまっては胸中穏やかではないはずです。

ですから、遺言は慎重に作成すると同時に、家族間トラブルが起こらないように作成することが重要だと感じます。

 

 

遺言をすることのメリット

遺言を残すことで様々なメリットがあります。

 

・遺産分割の指定をすることで、相続人同士の話し合いや協議で紛争やトラブルになりません。

・内縁の妻や息子の嫁、生前お世話になった人へ財産を贈与することができます。

・生前、病気や介護等で特に世話になった相続人へ財産を多く分配できます。

 

このようなメリットがあります。

 

 

 





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