ハラスメントとは直訳すると「嫌がらせ」という意味です。嫌がらせとは、行為の相手側を嫌な気持ちにさせる事を言います。価値観が多様化する現代社会の中で一昔前では「そのくらいの事で文句をいうんじゃな」というように一蹴されてきましたが、現代社会においては大きな社会問題となってきました。
今回はその社会問題にもなっているハラスメントで「会社を辞めたい」と思うような嫌がらせの種類を全部まとめて紹介していきたいと思います。
ハラスメントの種類とその概要
ハラスメントとは嫌がらせです。では現代社会においてどのような行為がハラスメントに当たるのでしょうか?ハラスメントの種類とその概要をまとめました。
パワー・ハラスメント【パワハラ】
パワハラの定義は厚生労働省でその概要を発表されました。パワハラは上司から部下への嫌がらせだけではなく、同僚の間であったり、部下による上司への嫌がらせも含むものとしています。またパワハラは6つの類型に別けられています。
①暴行や傷害(身体的に傷を負わすような行為)
②脅迫や名誉毀損や侮辱やひどい暴言(精神的な苦痛を与えるような言動)
③隔離や仲間外しや無視(人間関係を壊すような言動)
④業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
⑤業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)
⑥私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)
上記の様に6つの類型に分類されました。職場で少なからずこのような行為を受けた人は多いのではないでしょうか?
私が以前相談を受けたケースでは、ある会社の取締役専務なのですが、社長のご子息であり総務部を取りまとめといたところ、その総務部に所属している事務長である女性社員が全く専務の言うことを聞いてくれないということで相談を受け、その際に泣き出してしまいました。これは女性社員から専務に対してのパワハラでしょうか?
パワハラが定義されたことにより、会社に帰属している者は自身の言動に十分に気を付けなければなりません。またパワハラだと感じたらすぐに然るべき場所へ相談をしたほうが良いと思います。
セクシャル・ハラスメント【セクハラ】
性的不快感を与える行為の事を言います。アメリカでは職場で男性が女性社員に対して「いやらしい目つきで女性を見た」「おはようと肩を触った」ということで訴えを提起されたりしています。
日本で最近よく耳にするニュースとして議員のセクハラ問題が取り上げられています。このような事は一昔前では表面化されていなかった問題ですが、女性活躍推進法などの制定により女性の社会進出の促進を行い、女性管理職を企業内で作っていくような動きや、結婚しない女性が増え生涯を仕事に捧げるというように価値観が変化してきたことにより女性の人権の尊重という考え方からセクシャル・ハラスメントは大きな社会問題となっています。
基本的には相手方がどう受け取るか次第になります。気軽に触れる事やちょっとした言動にも気を付けなければなりません。
モラル・ハラスメント【モラハラ】
モラルとは倫理観や道徳意識のことを言います。一般常識などといった一言で表現できることではなくなく、もっと普遍的な元来人間が持つ価値観の様な意味を持った言葉です。公的の場で汚い言葉で批判したり、職場内で他の同僚社員がいる中で叱責したり怒鳴ったり、仕事とは関係のない言葉を発したり、そのようなモラルに反するような行動による嫌がらせの事を言います。
アルコール・ハラスメント【アルハラ】
新入社員は最初の会社の歓迎会で洗礼を浴びます。というのが一昔前の当たり前の風景でした。しかし現在では「飲みたくない酒をなんで無理やり飲まなきゃいけないのだ」「酒を注ぐ行為などしたくもない」「酒の場でなぜダメ出しされなきゃならないのだ」などといった価値観から酒の席に無理やり誘う行為も嫌がらせとなっています。また酒の誘いを断った事で嫌われてしまい、パワハラ行為を受けてしまう場合もあります。
ノミニュケーションとは酒好きの勝手な造語であり、酒を飲まずとも良質なコミュニケーションの構築は出来るはずです。
マタニティー・ハラスメント【マタハラ】
妊婦になったことでの嫌がらせです。妊娠というのは大変な事です。にもかかわらず、妊娠したことで体調不良による早退や欠勤を責めたり、仕事効率が悪くなった事を責めたり、産休明けに社内に居場所がないようにしたりする嫌がらせの事を言います。
スモーク・ハラスメント【スモハラ】
煙草による嫌がらせです。副流煙は嫌なものです。禁煙が進む中、モラルを欠いた喫煙者が行う行為全般の事を言います。一昔前の職場は喫煙出来るのが当たりませで、部下は毎日他人が吸った灰皿を清掃するのが日課だったといいます。今では考えられませんね。
マリッジ・ハラスメント【マリハラ】
未婚の女性に対して「いつ結婚するの」「~~だから結婚できないんだよ」などと発する言葉の暴力です。
その他のハラスメント
セカンドハラスメント
カラオケハラスメント
パーソナルハラスメント
レイシャルハラスメント
ゼクシャルハラスメント
ブラッドタイプハラスメント
ドクターハラスメント
エイジハラスメント
シルバ-ハラスメント
以上のハラスメントの種類がありますが、すべてパワハラに分類されると言葉かと思われます。
嫌がらせによる退職を考えたら
パワハラの定義が出来たことにより、様々な状況に応じてパワハラかどうか照らし合わせる事ができるようになりました。労働者樋のは弱い立場です。職場を辞めてしまったら賃金を得ることが出来ずに生活できなくなってしまいます。そのようなことからパワハラ被害者は我慢する他なかったのです。このような職場環境の改善に本気で取り組んでいってもらいたいと願います。
嫌がらせを受けて退職をお考えであるならば一度相談してみてください。良いアドバイスができると思います。おひとりで悩まずまずはご相談をする事をおすすめします。