退職代行サービスを利用する前に知っっておきたい退職のルールとは?退職届を出す前に抑えておかねばならないルールを記します。
「今すぐ会社を辞めたい」「明日から会社に行きたくない」とお考えでも後々のトラブルを防ぐためにも退職のルールと手順を知る必要があります。またこの手順ルールを把握していないと大変「損」をしてしまう恐れがあります。では一緒に見ていきましょう。
退職するにあたっての確認事項
いつ辞めるか?自分が最も「損」をしない退職日を決めます。その為にはご自身の現在の状況を確認する必要があります。
確認する項目は以下になります。
①有給休暇残日数と退職時の残有給休暇の取扱社内規定の確認
②退職金制度の確認
③賞与時期及び賞与支払い規定の確認
④自己都合退社か会社都合退社かの確認
⑤返却物の確認
⑥口頭での退職の意思表示は撤回できます
⑦退職届を提出する際の留意点
有給休暇残日数と退職時の残有給休暇の取扱社内規定の確認
【有給休暇付与のルールの確認】
●有給休暇は正社員・アルバイト・パートタイマ―の雇用形態に関わらず入社日から半年後に付与されます。
「アルバイトだから有給が出ない」というような事はありません。
使用者は雇入れの日から6カ月間継続勤務して全労働日の8割以上出勤した労働者に対し ては、10労働日の有給休暇を与えなければなりません。その後1年経過ごとに同様に次の 日数の付与が必要です。 ※パート、アルバイト、嘱託等と呼ばれる短時間労働者や、管理監督者も同様です。
●自分が保有できる有給休暇の最大日数は40日です。
「10年間一度も有給休暇を使用していないとしても最大保有数は40日です」
●有給休暇の保有日数は「給与明細」に記載があります。
もし記載がない場合は管理者や上司に聞いてください。
【有給休暇の取扱社内規定の確認】
●有給休暇を使用する場合は大抵の企業が「自己申告制度」を導入しているかと思います。「有給休暇を取りたい!」と考えたら上司に「〇月〇日に有給休暇を下さい」と伝えるか、有給休暇申請書のような書面を提出する場合などがあります。
退職の際に自身の有給休暇の残日数を把握出来ていないと「うやむやに」されてしまう場合があります。特にアルバイトの方に多いケースでは有給を申告しないで退社日を迎えてしまい、有給休暇を使わないで退社したというアルバイトの方は大勢います。
有給休暇の発生のルールと取得のルールを把握しておかないと「損」をしますので必ず確認しましょう。
注意点のまとめ
◆アルバイトでも有給休暇はあります!
◆有給休暇の取得を申告しないと会社は残日数を教えてくれません!
◆有給休暇残日数の管理は自分で行いましょう!
退職金制度の確認
ご自身の会社に退職金の制度があるかどうか確認しましょう。退職金制度には「勤続年数と役職によって最終的な退職金額が決定する方法」などを採用している企業が多いです。
内容としては
「入社3年以降から毎年退職金を積み上げていき、役職に応じて積み上げ金が上昇する」「勤続年数5年10年15年20年で勤続功労報奨金が加算される」というような規定になっています。
ここで退職時に注意しなければならない事は
◆勤続年数
◆退職金の加算時期
この2つに注意しなければなりません。
退職金の加算時期
●退職金の加算を4/1~3/31の年度で計算している場合
●自分の入社日(中途採用の場合)を基準として加算する場合
退職金の加算時期は上記2つの方法があり、退職金制度がしっかり整った会社を退職する場合その時期直前に辞めてしまうと「損」をしてしまいます。また勤続年数があと1か月で区切りという場合も同様に「損」をしてしまいます。
賞与時期及び賞与支払い規定の確認
賞与規定は基本的に
・4月1日~9月30日までの労働に対して12月に支払われる
・10月1日~3月31日までの労働に対して7月に支払われる
この2つのパターンがオーソドックスなパターンになります。
また就労規則の賞与規定に
・賞与は賞与支払い月まで在籍した者に支払う。と規定されている場合があります。
賞与を貰ってから辞める事が一番良いと思います。賞与月前の退社では賞与が支払われない可能性があります。辞める月は、7月か12月の賞与月退社が一番「損」をしないと言えるでしょう。
自己都合退社か会社都合退社かの確認
ご自身の退社が
「自己都合によるものなのか? 」
「会社都合によるものなのか?」
この違いは退職後の雇用保険の給付日数で大きな違いがあります。
自己都合退職の給付日数(平成29年4月現在)
年齢/勤続年数
1年未満
1年以上5年未満
5年以上10年未満
10年以上20年未満
20年以上
全年齢
-日
90日
90日
120日
150日
ポイント!
●入社1年未満でも「嫌がらせ」「パワハラ」による精神的苦痛を伴った退社なら「会社都合」になります。あきらめないでください。
●勤続年数が多ければ「会社都合」退社での雇用保険付与日数は増えます。
30歳過ぎての中間管理職のパワハラ被害増えています。
会社都合退職の給付日数(平成29年4月現在)
年齢/勤続年数
1年未満
1年以上5年未満
5年以上10年未満
10年以上20年未満
20年以上
30歳未満
90日
90日
120日
180日
-
30歳以上35歳未満
90日
120日
180日
210日
240日
35歳以上45歳未満
90日
150日
180日
240日
270日
45歳以上60歳未満
90日
180日
240日
270日
330日
60歳以上65歳未満
90日
150日
180日
210日
240日
◆自己都合退社とは「自分の都合で退職する事」
例えば
「転職するから」
「結婚するから」
などで退職する事を言います。
◆会社都合退職とは「会社の事情など自分ではどうしようもなく辞めざる得ない場合に辞める事」
例えば
「会社倒産」
「嫌がらせ」
などで退職する事を言います。
退職理由の注意点
◆「嫌がらせ」による退職は「会社都合」にないます!
◆「嫌がらせ」による退職は雇用保険の給付日数が増えます!
◆入社1年未満でも「嫌がらせ」による退職なら雇用保険もらえます!
以上のように
①有給休暇残日数と退職時の残有給休暇の取扱社内規定の確認
②退職金制度の確認
③賞与時期及び賞与支払い規定の確認
④自己都合退社か会社都合退社かの確認
①~④の確認は「損」をしないためにも必ず行ってください。
返却物の確認
会社を辞める際に貸与物等がある場合に返却をせず退職してしまうと後々のトラブルにもなり兼ねません。そこで返却物のリストは確認しましょう。
返却物にはどのようなものがあるのか一覧で確認しましょう。
①制服等
②ロッカーのカギ
③会社のカギ
④会社の重要印取扱に関する誓約書等の更新手続き
⑤長期間定期券などの返却の有無
⑥パソコン使用のIDやPASS
⑦マニュアル等
⑧徽章
⑨社員証
上記のようなものがあり、きっちり返却をしないで辞めてしまうと後々トラブルになります。またトラブルにならずとも面倒な事になる場合がありますので、退職前に必ず確認をしましょう。
口頭での退職の意思表示は撤回できます
退職を伝えるタイミングは重要です。退職は自分のタイミングで行うことがベストです。
労働基準法では退職を願い出る時、「口頭で辞めると伝えた時は撤回出来るとしています」これは雇われている側が無理やり辞めると言わされてしまう様な不利益から守る為に規定されています。正式に辞める日を決定するには書面の提出が必要となります。
退職届を提出する際の留意点
退職届を提出して受理されると基本的には撤回が出来ません。ですから提出は慎重に行いましょう。
提出する際に注意する点は上述した通り
◆「損」をしないかどうか
◆「後のトラブル」にならないかどうか
この2点を考えなければなりません。
まとめ
昨今パワハラやブラック企業での働き方で悩みを抱えている人は大勢います。パワハラの被害でうつ病などを患い社会復帰が困難な方も大勢います。そのような事にならないためにも早めの相談が必要だと感じます。
パワハラや無理強いな働き方を強要する企業に対して何も言えず困っているのであれば相談を承ります。