外国人の一部には、午後に日本に入国したり、在留許可の範囲を超えて日本に滞在する人たちがいます。そのような外国人を法令に基づいた手続きにより強制的に国外へ退去させ、日本国民の安全や利益が害されるのを防ぐことも入管の仕事です。どういう場合に退去強制されることになるかは入管法に定められています。
外国人の退去強制の5つの理由
「Reasons for the retreat of foreigners」
平成29年度退去強制実績より
【退去理由】
第一位・・・6,372人
不法残留
許可された在留期間を超えて滞在している場合
第二位・・・662 人
資格外活動
許可を受けずに、与えられた在留資格以外の収入を伴う事業運営する活動または報酬おける活動をもっぱら行った場合
第三位・・・544人
刑罰法令違反
刑罰法令に反して刑事処分を受けた場合など
第四位・・・450人
不法入国
旅券を持たずに、あるいは偽造された旅券で入国した場合など
第五位 ・・・117人
不法上陸
旅券は有効でも、上陸許可を受けずに上陸した場合など
総数・・・8,145人
送還された外国人の推移
平成18年:33,018人
平成19年:27,913人
平成20年:23,931人
平成21年:18,241人
平成22年:13,224人
平成23年:8,721人
平成24年:6,459人
平成25年:5,790人
平成26年:5,579人
平成27年:6,174人
平成28年:7,014人
平成29年:8,145人
日本の不法入国で強制送還された外国人は平成18年の3万3千人をピークに→方下がりで減少していたが、近年増加の傾向にあります。入管法の改正によりさらに外国人労働者が増加することで、外国人犯罪の増加に伴って送還関数も比例増加していくとみられています。
外国人の不法残留
不法残留とは、許可された在留期間を超えて日本に在留している外国人の事を言います。現在日本に滞在する不法滞在者数は6万人超とされています。
不法就労する外国人の存在は、外国人受け入れのための法制度をないがしろにし、日本の労働市場に悪影響を与えるだけでなく、風俗、治安などいろいろな分野にわたって様々な問題を引き起こしている一方で、劣悪な環境下での労働を強いられるなどの被害に遭う事案も生じています。
外国人の偽装滞在者の取り締まりの強化がされています。
平成29年1月1日施行
偽造文書頭により不正に在留資格を取得するものや入国後まもなく所属先を離脱し本来の活動を行わないで在留し続けるものなどこのような偽装滞在者への対策を強化するため、罰則を整備するとともに、在留資格取り消し制度を強化しました。
また、在留資格を取り消すかどうかを判断する前提となる事実の調査を入国審査官だけではなく入国警備官も行えるようになりました。
強制退去の流れ
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1違反発覚
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2違反調査
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3収容
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4違反審査
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5口頭審理
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6裁決
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7送還
退去強制するか否かの採決に際しては違反調査、違反審査、口頭審理等を通じ、事実関係のほか、外国人の情状をくみ取るための手続きが慎重に行われています。
退去強制事由に該当する外国人については、退去強制手続きを取ることとなりますが、日本では入管法に定める退去強制事由に該当した外国人のすべてが国外退去されるのではなく、日本での生活歴、家族状況等が考慮され法務大臣から在留を特別に許可される場合があります。
退去強制と決定された外国人は、速やかにその国籍国などへ送還されることとなっています。直ちに送還することができないときは、送還できるようになるまで、茨城県牛久市および長崎県大村市にある入国管理センターに収容されることとなります。