法改正

【詐害行為取消請求の訴訟告知と被告】民法改正2020年4月1日施行の基本と要所の解説(第424条の7)

424条の6でも確認したように、詐害行為取消請求では、裁判をする必要があります。この場合民事裁判になりますが、誰を被告とするのでしょうか。

債務者や受益者、転得者がいる場合各所全てを被告にする必要があるのでしょうか。解説していきたいと思います。

 

 

424条の7の条文

第424条の7

1 詐害行為取消請求に係る訴えについては、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める者を被告とする。

一 受益者に対する詐害行為取消請求に係る訴え:受益者

二 転得者に対する詐害行為取消請求に係る訴え:その詐害行為取消請求の相手方である転得者

2 債権者は、詐害行為取消請求に係る訴えを提起したときは、遅滞なく、債務者に対し、訴訟告知をしなければならない。

424条の7では、訴えの種類によって、被告が変わることまた、債務者に対して、告知をしないといけないことが書かれています。

それでは詳しく見ていきましょう。

 

 

改正ポイント

424条の7の条文は旧民法には存在しませんでした。つまり誰を訴えれば詐害行為取消請求ができるのかが、明記されていなかったわけです。

詐害行為というのは、上の図のように、債務者が貸したお金などの債権を返すことが到底できないような状態にも関わらず、資産を隠したり減らしたりする目的で、第三者に贈与などをしてしまうことでした。

この時、債権者から直接利益を受けた人を受益者、受益者が贈与などをした場合の相手を転得者と言いました。(民法424条)

 

このような詐害行為に対して、債権者は裁判で取消を訴えることができますが、誰を訴えるのでしょうか。あげたのは、債務者なので債務者でしょうか。それとも関係者全員、債務者・受益者・転得者を全て訴える必要があるんのでしょうか。

 

今回の改正で、それが明確になり、訴える相手は「受益者」か「転得者」だけで良いと明記されました。

 

従来より裁判の判例では、「受益者」「転得者」だけを訴えるだけで良いとなっており、それが明文化された形になります。

図にすると上のようになります。

受益者や転得者だけを被告として、詐害行為取消請求を行うということになります。細かく言えば、転得者の詐害行為取消請求をしたい場合は「転得者」だけを被告とすればよく、受益者を被告とする必要はありません。

 

受益者や転得者だけを被告にするということですが、それでは債務者には何もしなくて良いかというと、そうではありません。債務者には訴訟告知というものをする必要があります。

 

 

訴訟告知とは

訴訟告知というのはその名の通り、訴訟があることを通知することです。

この場合は、訴訟の当事者(債権者)が、訴訟に参加することができる関係者(債務者)に通知することです。

 

2:債権者は、詐害行為取消請求に係る訴えを提起したときは、遅滞なく、債務者に対し、訴訟告知をしなければならない。

 

424条の7の2項には訴訟告知をしなければならないとあるので、債権者は債務者に通知を出さなければなりません。訴訟告知は裁判所を通じて出されるものなので、勝手に手紙をだすわけではありません。

 

訴訟行為は民事訴訟法の53条で定められています。

【民事訴訟法】

(訴訟告知)

第53条

1 当事者は、訴訟の係属中、参加することができる第三者にその訴訟の告知をすることができる。

2 訴訟告知を受けた者は、更に訴訟告知をすることができる。

3 訴訟告知は、その理由及び訴訟の程度を記載した書面を裁判所に提出しなければならない

4 訴訟告知を受けた者が参加しなかった場合においても、第46条の規定の適用については、参加することができた時に参加したものとみなす。

訴訟告知をして、債務者は訴訟参加といって訴訟に関わることができます。債務者も関係者ですので、被告ではありませんが、参加ができるように配慮されているようです。

 

 

まとめ

詐害行為取消請求をする時は、裁判をする必要があります。債権者が被告として訴えるのは、受益者や転得者で、債務者には訴訟告知をする必要があります。





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