アルバイトでもパートタイムでも契約社員でも、正規雇用の社員と変わらない労働基準法によるルールが定められており、雇用者も被雇用者(働く側)もこのルールを守らなければなりません。
いつの時代も雇われる側は弱い立場です。雇う側がこのルールを無視して労働を強制したり賃金を払わなかったりすることは違法であり、ブラック企業の可能性があります。そのような企業で働かぬように十分に注意が必要とともにどのような事がブラック企業にあたるのか知る事が大切です。
働く条件は書面で契約をする
雇う側は労働条件(勤務条件)を雇用契約書として明示しなければなりません。
明示する内容としては
- 働く場所
- 働く時間
- 休憩時間
- 賃金
- 退職する事
このような事を明記して書面を渡さなければなりません。もし明示されていない部分があるのであれば初めに聞かなければなりません。
例えば、残業代に関して、深夜時給に関して、貸与品がある場合に制服等の支給とクリーニング代等のその他お金がかかる事について、自己負担がどこまでなのか等々明示されておらず少しでも疑問があればその場で聞くようにしましょう。
賃金の支払の5つの原則とは
雇用者側は賃金支払いの5原則というルールを守らねばなりません。
以下
- 賃金は通貨でなければなりません
- 賃金は労働者に直接渡さなければなりません
- 賃金は全額を支払わなければなりません
- 賃金は毎月1回以上支払わなければなりません
- 賃金は毎月一定の間隔で支払わなければなりません
(労働基準法)
また各都道府県では最低賃金というのが定められています。例えば茨城県では現在H31年3月現在では時給822円となっており、その場合茨城県で働く人は最低でも時給822円以上でなければなりません。それ以下の場合はいほうとなります。
労働時間のルールや休日に関するルールとは
正社員・アルバイト・パートタイム・契約社員・派遣社員など、名称に関わらず雇われて働く人を「労働者」、雇う人を「使用者」といいます。
労働者を守る為に定められた法律が労働基準法でアルバイトにも適用されます。労働時間・休憩時間・残業時間・休日・解雇などについてもこの法律で定められています。使用者がこのルールを無視した働き方を労働者に対して強要している場合ブラック企業の疑いがあります。
アルバイトを始めてからも、使用者がルールをしっかり守っているか注意しなければなりません。そのためにも最低限労働者が守られるルールは把握しましょう。
労働時間のルール
労働は休憩時間を除き、週40時間以内、1日8時間以内。労働時間は使用者に拘束されている時間の事を言い、使用者の指揮・命令下にある場合になります。
割増賃金のルール
1日8時間、週40時間を超えて働く場合は、25%の割り増しまた深夜時間帯午後10時(22時)以降の労働の場合25%以上の割り増し賃金を与えなければなりません。例えば昼の時間の時給が1000円であれば深夜は1250円にしなければならないという事です。
休憩時間のルール
- 労働時間が6時間を超える場合は45分以上の休憩
- 労働時間が8時間を超える場合は60分以上の休憩
上記の休憩時間を与えなければなりません。休憩時間は本来会社側に拘束されない時間の事を言い原則何をしていてもかまわない時間になります。
休日のルール
法定休日というのがあり法律で定められた休日の事をいい、週最低1日は休日を取らなければなりません。また7日間の連続の労働は禁止されています。
有給休暇のルール
アルバイトにも適用され、全労働日数の8割を出勤した者に対して付与しなくてはならず、入社から6か月後に付与されます。例えば4月1日入社であれば、10月1日に付与されます。付与されたかどうかは給与明細に記載されているはずです。
給与明細のチェックは怠らずに
給与明細をしっかり確認をしましょう。給与明細も人が行う事です。ミスがある可能性があります。
そこで必ずチェックしなければならない項目は
- 総労働時間数
- 労働日数
- 控除額
- 差し引き支給額
上記の項目は必ずチェックしなければなりません。もしかしたら不備があるかもしれませんし、勝手にクリーニング代・店舗損害金・遅刻罰金等の名目で何か引かれている場合があるかもしれません。給与からの天引きは原則違法です。
就業規則って何?
学校に校則があるように会社には就業規則があり、賃金・労働時間・休日・交通費・懲戒処分等など様々なルールが明記されているもので、従業員がいつでも閲覧可能となっているもので10人以上雇っている場合は就業規則を作成して労働基準監督署に届け出をしなければなりません。
この就業規則がなかったり、従業員に見せてくれない企業はブラック企業と言えます。
懲戒処分のルール
解雇などの懲戒処分に対してもルールが定められています。アルバイト・正社員問わず会社に大きな損害を与えた場合に相応の処分がされます。
懲戒の種類には始末書・減給・解雇などがあり、その処分にがいかなるものかは就業規則に明記しなければなりません。明記されていない処分はいかなるものであっても無効となります。減給といっても月の給与の1/10以上を減らすことは出来ません。減給処分であってもいきなり給与を半分にするなどといった行為は違法となります。
職場環境について
職場でパワハラ(嫌がらせ)がある事を会社が黙認していれば違法となります。会社は「働きやすい職場環境を保持する義務」があります。パワハラを行った本人だけでなくそれを許している会社にも責任が生じます。
まとめ
新たにアルバイトを始めようとする方はその働こうとしている会社がブラック企業でないか十分に注意をしてください。上記記載した事項は全てではありません。何か「おかしいな」「変だな」と感じたら相談することを勧めます。ブラック企業でアルバイトしてしまうと大変なことになります。
例えば「試験が間近なのに休ませてくれない」「タイムカードを切っているのに帰れないず疲れがたまり精神的にダウンしてしまった」「嫌がらせを受けて心が壊れてしまった」などなど今後の人生に重大な傷を負うことになり兼ねません。
少しでもブラック企業に当てはまると感じたら相談をしましょう。