法改正

【詐害行為取消の財産返還請求】民法改正2020年4月1日施行の基本と要所の解説(第424条の6)

 

424条は詐害行為取消権、もう強制執行間近な債務を抱えている債務者が財産を減らそうと他人に贈与したりする場合に取消ができるということでした。

今回は、詐害行為で利益を得た人から返還や償還について解説していきたいと思います。

 

第424条の6の条文

【改正後民法】

(財産の返還又は価額の償還の請求)

第424条の6

  1. 債権者は、受益者に対する詐害行為取消請求において、債務者がした行為の取消しとともに、その行為によって受益者に移転した財産の返還を請求することができる。受益者がその財産の返還をすることが困難であるときは、債権者は、その価額の償還を請求することができる。
  2. 債権者は、転得者に対する詐害行為取消請求において、債務者がした行為の取消しとともに、転得者が転得した財産の返還を請求することができる。転得者がその財産の返還をすることが困難であるときは、債権者は、その価額の償還を請求することができる。

 

424条の6の条文は新設された条文です。詐害行為取消権については、旧民法では裁判所の解釈にゆだねられてきた部分が多く、今回の改正で条文化されたものが多いです。

 

今回の424条の6では、1が受益者、2が転得者について書かれているだけで、内容は返還と償還についてで全く同じです。それでは詳しく見ていきましょう。

 

 

受益者と転得者とは

改正民法では、債務者が債権の支払いを返せないにも関わらず、強制執行を逃れるために債権者以外の人物に金銭の贈与などを行うことを詐害行為、そしてその利益を得る人を受益者と呼びました。

 

転得者は、受益者がさらに財産の贈与などを行った場合の利益を受けた人です。

そして、受益者や転得者に、詐害行為取消請求する場合には、受益者や転得者が、債権者を害すること(悪意)を知ってないといけませんでした。(民法424条の5)

 

 

424条の6のポイント

詐害行為取消請求権は、取消ができるだけではあまり意味がありません。取消をしたら、返還の請求ができないといけません。

 

なので424条の6では、取消ができた場合、(詐害行為と認められた場合)には返還の請求が、返還が困難な場合には価格の償還をすることができると明記されました。

424条の6の1項では受益者について、2項では転得者について、それぞれ同様に詐害行為の取り消しができた場合、返還と償還ができるとされています。

 

この場合の償還というのは、例えば、宝石などの高価なものが贈与されていた時、紛失や加工をしたなど返還が困難な場合もあります。その場合、その価格分の返還を意味します。

 

また、請求は裁判で請求をする必要があります。突然債権者が受益者の家に押しかけて、「詐害行為だから金を返せ」ということはできません。詐害行為取消請求と返還の請求は裁判の手続きで満たされる権利です。

 

そのため、受益者や転得者を被告とした裁判の手続きの際には、詐害行為取消請求と返還請求の両方を訴えていくことになるのです。

 

 

償還の裁定方法は?

物の贈与が詐害行為にあたり、返還が困難でその価格分の償還をするときの、価格はいつのときの価格なのでしょうか。

贈与した時は、1000万円でも、なんらかの理由で現在は価値が上がっているということも十分にあると思います。

 

今回の改正では、いつの価格で償還になるのかは決められませんでした。そのため、従来通り、裁判判例によって解釈にゆだねられると考えられます。

 

 

まとめ

詐害行為取消が認められる場合には同時に返還又は困難な場合には償還を求めることができます。これは受益者、転得者共に請求することができ、裁判の手続きによって実行することができます。

 

 





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