法改正

【債務者の受けた反対給付に関する受益者の権利】民法改正2020年4月1日施行の基本と要所の解説(第425条の2)

425条の2では詐害行為の取消が行われた後の、受益者の権利について書かれています。詐害行為取消請求では、債務者が自分の資産を隠したり減らしたりするために、第三者(受益者)に資産をあげてしまうようなことでした。この時に、受益者が悪意(債権者を害すると知っている)がある必要がありました。

 

では、この詐害行為を取消したら全て綺麗に解決でしょうか。今回は受益者にある権利について解説していきます。

 

425条の2の条文

(債務者の受けた反対給付に関する受益者の権利)

第425条の2

 債務者がした財産の処分に関する行為(債務の消滅に関する行為を除く。)が取り消されたときは、受益者は、債務者に対し、その財産を取得するためにした反対給付の返還を請求することができる。債務者がその反対給付の返還をすることが困難であるときは、受益者は、その価額の償還を請求することができる。

詐害行為取消請求で取消された後に、受益者が債務者にできることとして「反対給付の請求」とそれが無理な場合は「価格の償還」が請求できるとあります。

 

それではポイントを見ていきましょう。

 

 

反対給付の返還とは

「受益者は、債務者に対し、その財産を取得するためにした反対給付の返還を請求することができる」と条文にありますが、まずこの意味はなんでしょうか。

 

例えば、詐害行為には不当に安く動産を売却するということも含まれます。仮に本来500万円相当の価値を持つ宝石を100万円で不当に安く売却したとしましょう。この時100万円払い宝石を手にした人が受益者となります。

 

この不当に安く売った行為が、財産を減らす目的ととられ、詐害行為と裁判で認定(424条の2)され、その裁判の請求に従って宝石を債権者に渡してしまった場合(424条の9)はどうでしょうか。受益者は不当に安いといえども、100万円は支払っています。この100万円は返ってこないのでしょうか。

お金を払ったのに宝石だけ無くなったという、泥棒にでもあったような状態になってしまうのでしょうか。

 

この100万円のことを条文では、「反対給付」と呼んでいます。宝石の給付に対して100万円の給付というニュアンスなのでしょう。

 

詐害行為と認定された金銭や動産は、直接債権者が受益者に引き渡しを請求することができます。この場合、受益者は債務者に返す義務はなくなります。

しかし、100万円払っている場合は100万円を誰かに返してもらわないといけません。これを、債務者に請求できるというのが425条の2の条文になります。

 

ここで、改正された425条の債務者も判決の効力の中に入ると改正された内容が活かされてきます。

裁判の判決の効力が当事者だけの場合、受益者が債務者に請求できるとするのは不自然な話です。100万円は、債権者が負担するべきだと考える人がいてもおかしくありません。しかし、判決の効力が債務者にまで及ぶのであれば、債務者に請求ができるというのは、筋が通ってきます。あくまで、詐害行為を取消し、債務者の責任財産を回復したというのが本筋であるため、取消で起こった受益者の不利益は債務者が支払うと考えられます。

 

H2 価額の償還の場合

425条の2ではもう一つのパターンを想定しています。

 

例えば、債務者が500万円の宝石を受益者のもつ5万円の宝石と交換したとします。これが明らかに、財産を隠す意図で行われたために、詐害行為と認められて取消されました。

結果、500万円の宝石は、受益者の手から債権者の手に渡りました。

この場合、先程の例に合わせると、受益者は「反対給付」を債務者に請求できるので、5万円の宝石を請求することができます。

 

しかし、債務者はほかの場所に売ってしまったのか、失くしてしまったのか宝石を持っていませんでした。この場合、「価額の償還」を求めることができます。要するに、お金で代わりに弁償するということです。

 

価額の償還も債務者に請求することができるというのが、425条の2の後半部分になります。

 

 

請求できない場合(例外)

詐害行為にはいくつか種類がありますが、受益者がなんでも請求できるというわけではありません。それが「債務の消滅に関する行為」の場合です。

 

債務者が債権を持っており、受益者の債務を消滅(減額)させたとします。これが詐害行為にあたります。例えば、債務者が受益者に対してもつ債権の500万円を5万円に減らし、受益者は5万円支払いましたが、詐害行為と認められて取消されたので、5万円返すように請求することはできないということです。

 

むしろ受益者は残り495万円の債務を支払う必要があります。

 

 

まとめ

詐害行為には、贈与以外に不当に安く売却するという場合もありました。この場合受益者は不当に安いといえど、金銭や動産を支払っているので詐害行為として取消され、債権者に宝石などを渡してしまうと一方的に損をしてしまいます。

 

そのため、425条の2では、受益者が債務者に支払った金銭や動産(反対給付)を、債務者に請求することができます。また宝石などの動産で紛失等で返還できない場合はその価格分の償還を請求することができます。

 

 





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